効果が期待できる求人広告の書き方ってご存知ですか?【すぐ実践できるコツ6選!】
「求人広告を出したいけど書き方が分からない」
「求人広告を出してもなかなか応募が集まらない」
など、お悩みを抱えている人事ご担当者さまもおられるかと思います。
求人広告は、自社が求める人材を確保する手段の一つであり、求人広告を掲載する媒体(メディア)が進化した近年は、人事担当者が自ら求人広告を作成する機会が増えています。
しかし、求人広告には、「記載しなければならない内容」や「記載してはいけない内容」などのルールがいくつもあることをご存知でしょうか?
例えば、業務内容や労働条件(契約期間や就業時間など)は、記載しなければならない内容であり、「年齢を制限する」「性別を限定する」などは記載してはいけない内容であり、原則、法令で禁止されています。
そして、2024年4月には法改正があり、「求人広告に記載しなければならない内容が追加」されることが予定されています。
そこで本記事では、求人広告を書く際のルールや注意点をわかりやすく解説するとともに、どのようなポイントを改善すれば効果が期待できるのかなども、合わせてご紹介致します。
求人広告の効果をより高め、求める人材を獲得したい人事担当者の方は、ぜひご参考にしてみてください。
- 求人広告の書き方【 記載が必要な13項目 】
- ◆ 2024年(令和6年)4月から追加される明示事項 ◆
- 求人広告の書き方【 記載禁止のNG表現 】
- 禁止①:性別を限定・差別する表現(男女雇用機会均等法)
- 禁止②:年齢を制限する表現(雇用対策法)
- 禁止③:特定の人を差別・優遇する表現(労働基準法)
- 禁止④:各種法令で定められた条件に反する内容
- 求人広告で応募が集まらない理由
- 効果的な求人原稿の書き方!コツ6選
- コツ①:求職者が必要としている情報を記載する
- コツ②:わかりやすく具体的に記載する
- コツ③:自社の魅力をアピールする
- コツ④:良いことばかり書かない
- コツ⑤:写真で職場の雰囲気を伝える
- コツ⑥:求人広告掲載後の効果分析から改善を行う
- まとめ:求人広告の書き方やコツを知り、応募者数アップに繋げよう!
求人広告の書き方【 記載が必要な13項目 】
求人広告を作成する際、「最低限明示しなければならない労働条件」として職業安定法によって定められており、以下の13項目は求人広告に必ず記載しなければなりません。
労働者の募集に関する情報を提供する場合は、掲載した時点を明示するなど、正確かつ最新の内容に保つ義務がありますので、虚偽や誇大情報とならないよう注意が必要です。
◆ 2024年(令和6年)4月から追加される明示事項 ◆
冒頭でも触れましたが、職業安定法施行規則の改正により、2024年(令和6年)4月1日から求人広告に記載しなければならない内容が追加され、『業務内容・就業場所』には変更の範囲を、『有期雇用の契約期間』には更新の判断基準を記載する必要があります。
①「業務内容」と「就業場所」について、「変更の範囲」を記載する
現在は、「業務内容」と「就業場所」について、雇入れ直後のものを記載すれば十分とされていますが、2024年4月以降はこれらに加えて、将来的に配置転換などの見込みも含めた「業務内容の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」の記載も必要になります。
②「契約期間」について、有期契約の場合は「更新する場合の基準」を記載する
契約更新の有無に関して、「諸般の事情を総合的に考慮したうえで判断する」というような抽象的なものではなく、「勤務成績、態度により判断する」「会社の経営状況により判断する」など、具体的に記載することが望ましいです。
また、有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間、更新回数の上限を含む)の記載が必要となります。
ただし、上記①②に該当する3つの項目に関して、求人広告のスペースが足りない等やむを得ない場合には、「詳細は面談時にお伝えします」などと付した上で、労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも可能です。
この場合、原則、面接などで求職者と最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示する必要があります。
(参考:厚生労働省|求人企業の皆様へ)
求人広告の書き方【 記載禁止のNG表現 】
求人広告を作成する際、記載してはいけない項目や内容が法律によって定められており、具体的には次のような表現がNG表現としてあげられます。
禁止①:性別を限定・差別する表現(男女雇用機会均等法)
禁止②:年齢を制限する表現(雇用対策法)
禁止③:特定の人を差別・優遇する表現(労働基準法)
禁止④:労働基準法で定められた条件に反する内容
それぞれ解説します。
禁止①:性別を限定・差別する表現(男女雇用機会均等法)
事業主は労働者の募集及び採用について、男女の均等な機会及び待遇の確保を目的に、男女の性別による差別や待遇差は男女雇用機会均等法で禁止とされています。
そのため、採用・給与・福利厚生など、あらゆる場面で性別を理由にした差別を禁止することが定められており、男性・女性のどちらかだけを優遇するような表現はできません。
例えば、下記のように性別による条件を設けることや、「〇〇レディ」「〇〇マン」など、言葉の意味そのものが性別を指す表現が禁止とされます。
【NG例】
・男性向けのお仕事です → 男性活躍中 (OK例)
・女性は適性検査あり → 適性検査あり (OK例)
・セールスレディ → 営業職 (OK例)
・カメラマン → 撮影スタッフ (OK例)
一方で、業務の遂行上、どちらかの性でなければならない職務等によって性別を限定することが認められているケースもあります。(巫女、女性更衣室の係員、防犯が求められる警備員(現金輸送車)や守衛など)
また、男女が平等に能力を発揮したり、活躍の機会を得たりすることを目指した取り組みである「ポジティブ・アクション」が理由であれば、「女性歓迎」という表現を使用できます。
ただし、ポジティブ・アクションの適用には条件がありますので、自社が当てはまるかよく確認することが必要です。
(参考:厚生労働省|男女均等な採用選考ルール)
禁止②:年齢を制限する表現(雇用対策法)
事業主は労働者の募集及び採用について、募集条件に年齢制限を設けることは雇用対策法で禁止とされています。
「個人の能力や適性を判断して募集及び採用をすることで、一人ひとりに対して、より均等な働く機会を与えるようにすること」を目的としているからです。
そのため、求人広告での募集年齢を定めたり、本人の希望と関係なく、職種や雇用形態、条件を絞るような表現はできません。
例えば、下記のように年齢による条件を設けることがNG表現とされています。
【NG例】
・25歳~35歳までの方
・20代は営業職
・55歳以上の方はパートタイム
ただし、例外として年齢制限が認められるケースもありますが、その際は、制限理由を提示することが義務づけられています。
禁止③:特定の人を差別・優遇する表現(労働基準法)
特定の人に対する差別表現や優遇する表現など、求人広告を見る側の求職者が不快な思いをするような表現やワードの使用は避けなければなりません。
そのため、求職者の性格や心身の特徴、居住地などを指定する表現や、宗教、人種(国籍)を制限することが禁止されています。
【NG例】
・明るくて容姿端麗な方 → 記載しない
・心身が健康な方 → 記載しない
・日本人限定 → 日本語の日常会話が可能な方 (OK例)
・~にお住まいの方歓迎 → Uターン歓迎 (OK例)
また、「ブラインドタッチ」は心身の障害や身体的特徴による差別表現のため、「タッチタイピング」などに言い換えることが求められます。
(参考:厚生労働省|公正な採用選考の基本)
禁止④:各種法令で定められた条件に反する内容
労働条件の最低基準を定める労働基準法には、給与や休暇の条件について以下のように具体的な規定があります。
・1日の労働時間を8時間以内、1週間の労働時間を40時間以内と定める
・1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも60分の休憩を勤務時間の途中で与える
・毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与える
・半年間継続して雇用されている労働者は、全労働日の8割以上を出勤していれば、10日間の年次有給休暇を取ることができる(労働条件による)
上記のような労働基準法で定められた条件に、違反する内容を求人広告に記載しないよう注意が必要です。
次に、最低賃金法によって、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業ごとに定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、使用者が支払わなければならない賃金の最低限度額が定められています。
そのため、求人広告に給与を記載する場合には、時給換算で上記の最低賃金を下回っていないかを、必ず事前に確認してください。
(参考:厚生労働省|労働条件・職場環境に関するルール)
求人広告で応募が集まらない理由
ルールに沿って求人広告を出していても、なかなか応募者が集まらなかったり、希望している条件に当てはまらない人材からの応募ばかりなどと、さまざまな悩みを抱えるケースが多いです。
そんな、求人広告で応募が集まらない理由として、考えられることは主に3つあります。
■募集要項が厳しすぎる
■求人広告の掲載内容に情報不足がある
■利用している求人媒体が合っていない
それぞれ改善ポイントと合わせて解説します。
■募集要項が厳しすぎる
募集要項の、必要な経験やスキル・資格、給与などに関して、企業側の希望条件が厳しすぎると、求人広告を出してもなかなか応募者が現れないことが考えられます。
そこで、採用市場の動向や求職者のニーズと、自社の希望条件との間で、どのくらいギャップが生じているのかを確認することが大切です。
どの程度のスキルの人材がどういった条件で募集されているかなど、他社の募集状況を把握し、自社が求める経験やスキルの条件緩和を検討したり、給与面とのバランスを見直すなど、ある程度の折り合いをつけることがポイントです。
■求人広告の掲載内容に情報不足がある
募集要項や仕事内容、職場環境に関する情報が少ないと、企業の条件が求職者には伝わりきらず、求職者は自分に合っているか、希望する働き方ができるのかが判断できないため、なかなか応募に繋がらない可能性があります。
そこで、自社が求めているスキルや人物像、実際の業務内容、給与や福利厚生面など、より多くの情報を出来る限り盛り込むことで、求職者がより仕事内容や働き方をイメージしやすくなります。
具体的にどのようなことを求人広告で伝えればいいかなど、記載内容のコツは後述しますので、ぜひ参考にしてみてください。
■利用している求人媒体が合っていない
求人媒体とは、求人広告を掲載するメディアのことで、紙媒体(新聞広告や折込チラシ、フリーペーパーなど)とWEB媒体(求人サイトなど)がありますが、求人広告を出しても応募が集まらない理由には、自社に合った求人媒体を選択できていない可能性が考えられます。
例えば、
・正社員を募集したいのに、アルバイト/パート募集向けの求人媒体に求人広告を掲載していた
・スキルを持つ人材の募集をしたいのに、新卒向け/第二新卒向けの求人媒体に掲載していた
などのケースがあります。
求人媒体には、職種、雇用形態、地域、年齢層に特化しているなどそれぞれに特徴があるため、自社が求める人材(求職者)に適している求人媒体を選ぶことが大切です。
効果的な求人原稿の書き方!コツ6選
求人広告の書き方として、基本の「記載が必要な13項目」や「記載禁止のNG表現」などを紹介してきましたが、ここからは、「自社が求める人材(求職者)に興味をもってもらえるような求人広告の書き方」について紹介します。
大切なのは、求人媒体によってそれぞれ仕様や形式が決まっている場合があるため、そのフォーマットに沿いながら、他社と差別化できる求人広告を書くことです。
さらに、下記のポイントを意識することで、より効果に期待ができます。
コツ①:求職者が必要としている情報を記載する
コツ②:わかりやすく具体的に記載する
コツ③:自社の魅力をアピールする
コツ④:良いことばかり書かない
コツ⑤:写真で職場の雰囲気を伝える
コツ⑥:求人広告掲載後の効果分析から改善を行う
それぞれ詳しく解説します。
コツ①:求職者が必要としている情報を記載する
求人広告から得られる情報は、少ないよりも多い方が求職者にとって良いとされますが、ただ情報をたくさん盛り込めばいいというわけではありません。
求人広告を作成する際、最初にターゲットを定め、「どのような志向の求職者に見てもらいたいのか」をイメージすることが必要です。
そのうえで、「ターゲットが疑問に思うこと、不安に感じていること」について、その答えとなる「ターゲットに伝えたいこと」を求人広告に記載することが大切です。
このように、求めるターゲット層からの応募をより増やすためには、求職者ファーストの視点で「求職者が必要としている情報」を掲載することが重要です。
また、ターゲットよりもさらに詳細に、性別や年齢、居住地、家族構成、現在の職業、ライフスタイルなどの情報まで想定した人物像のことを「ペルソナ」といいます。
コツ②:わかりやすく具体的に記載する
仕事内容は、求職者が実際に働いたときのイメージを持てるために、「なにを、どのようにする仕事なのか」「未経験者でもわかる言葉」「数字で表現する」など、具体的に記載する工夫が大切です。
記載表現の例としては、以下の通りです。
また、「1日の仕事の流れ」といったように仕事内容を細分化して記載すると、仕事の流れをイメージとして掴みやすく、求職者が自分に適している仕事かどうかなどの判断ができるためおすすめです。
コツ③:自社の魅力をアピールする
求人広告に「他社にはない自社だけの魅力」を記載することで、求職者にとって現職や他社との比較がしやすく、入社することで得られるメリットとしてアピールすることができます。
具体的には、
●安定した経営基盤があり、取り扱う商品にも強みや将来性がある
●給与水準が高く福利厚生も充実、平等な評価制度がある
●経営陣との距離が近く、社員一人ひとりに裁量を与えている
など、自社だけの強みや魅力を発信することで、求職者に向けた訴求ポイントに繋がります。
また、自社では当たり前のことが、他社では当たり前ではないかもしれません。
例えば、
●自社では当たり前に実施されていた「入社時研修」が、他社と比べてとても丁寧で充実した研修内容だった
など、内部にいるとなかなか気が付かないこともありますので、自社に転職してきた社員に意見を聞いてみることもおすすめです。
コツ④:良いことばかり書かない
自社の魅力や良い点を求職者にしっかりとアピールすることは大切ですが、「繁忙期は残業が多くなる」や「作業中は製造機械の油で服や手が汚れてしまうことがある」など、大変だと思うポイントも正直に記載することで、求職者の企業に対する信頼度が高まります。
また、良いことばかり書かれた求人広告を見て応募し入社したとしても、実際の環境や仕事内容が想像と違っていると、求人広告とのギャップから早期離職に繋がってしまう恐れがあります。
そうなってしまえば、改めて採用活動を行わなければならないなど、さまざまな手間やコストの損失が発生しますので、ミスマッチを防ぐ意味でも、良いことばかりではなく正直な情報も伝えていくことが大切です。
コツ⑤:写真で職場の雰囲気を伝える
職場の人間関係や雰囲気として、「働く社員の仲が良い」「オシャレなオフィス」などの情報を、視覚的に伝えられる写真を掲載することで、求職者も職場環境をイメージでき興味を持ってもらいやすくなります。
また、文字だけでは伝わりにくいニュアンスでも、写真であれば短時間でよりリアルに求職者に伝えられるため、文字数が限られている求人広告でも掲載する写真を工夫すれば、他社との差別化や比較がしやすくなります。
なお、写真を撮影する際は、見た目の美しさや華やかさなど、見栄えを重視する必要はありません。
普段の職場の雰囲気を撮影し、「どのような人が、どのような場所で、どのように働いているのか」など、等身大の自社らしさを引き出すことが大切です。
コツ⑥:求人広告掲載後の効果分析から改善を行う
求人広告は、掲載したら「それで終わり」ではありません。
掲載後、応募数や採用数の集計を行い、求人広告の効果分析を行うことが重要です。
例えば、予算(費用)に対し、応募数が少ない場合は、「費用対効果が悪い」と言えます。原因は、これまで解説した通り「求人広告の書き方」や、そのほかでいえば「求人媒体の選定」などが挙げられます。
それらを確かめるために、効果分析 → 改善のPDCAを回すことで、求める人材の獲得に巡り合える可能性を高めることができます。
大切なことは、求人広告の作成そのものだけでなく、無事採用に至るまでの効果分析→改善をすることであり、それが効果的な求人広告運用であると言えます。
まとめ:求人広告の書き方やコツを知り、応募者数アップに繋げよう!
改めて、本記事をまとめます。
求人広告には、「必ず記載が必要な13項目」と「記載してはいけないNG表現」のように法律で規定されたルールがあり、さらに2024年4月より、一部項目内で記載するべき内容が追加されます。
しかし、ルールに沿って求人広告を出していても、なかなか応募者が集まらなかったり、希望している条件に当てはまらない人材からの応募ばかりなど、さまざまな悩みを抱えるケースがあります。
その理由として、
・募集要項が厳しすぎる
・求人広告の掲載内容に情報不足がある
・利用している求人媒体が合っていない
などが考えられます。
そこで、求人広告の効果的な書き方として、以下の6つのコツを紹介しました。
コツ①求職者が必要としている情報を記載する
コツ②わかりやすく具体的に記載する
コツ③自社の魅力をアピールする
コツ④良いことばかり書かない
コツ⑤写真で職場の雰囲気を伝える
コツ⑥求人広告掲載後の効果分析から改善を行う
求人媒体によってそれぞれ仕様や形式が決まっている場合があるため、そのフォーマットに沿いながら、上記のポイントを意識することで、他社と差別化ができ、より効果に期待ができます。
求職者に不安や不信感を与えないように、必要な情報がしっかりと詰まった「安心して応募したくなる求人広告」を作成するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
とはいえ、「求人広告を作成に手間をかけられない」「掲載した後の運用まで手が回らない」などとお困りの人事担当者の方は、外部に依頼するのもひとつの手です。
求人広告を外部委託することで、業務的にも余裕が生まれ、別の業務に取り組めるというメリットもあります。
G&Gグループでは、具体的な求人情報を掲載できるWEBサイト『サチリク』を展開しており、ライティングスキルの高いプロのライターが、多彩な表現方法でお客様の求人原稿を作成します。
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